不動産売却、手付金を受け取ったけど契約解除された・手付金は一時所得

新型コロナウイルスの影響でお金の動きも鈍くなっています。

不動産を売りにだしていてやっと売れて手付金も受け取った。
あとは清算して引渡し、と思っていたら買主からキャンセルの連絡、ということもあります。

せっかく売れたと思った物件が売れずにがっくり、ですが受け取った手付金の申告も忘れずに、です。

手付金は返さない?

通常、手付金といえば解約手付というものになります。

この場合、キャンセルしても手付金は返還しません。
というか、買手は手付金を放棄することによってキャンセル可能となります。

つまり、契約解除と同時に売手が買手から受け取った手付金は売手がそのまま受け取ることとなり、手付金を返す必要はありません。

返さない、ということはその分得したことになるわけで。
得したら所得税がかかるんですね。

売れなかったのに、とは思いますが仕方無しです。

返還不要となった手付金は一時所得として課税

不動産を売った場合には、大体儲けの2割が税金、と説明されることが多いです。
これは不動産の売却は譲渡所得というものになり、給与等の他の収入とはわけて税金計算をするためです。

キャンセルによって返さなくなった手付金は、不動産を売ったことによる収入、ではないですね。
そのため、この2割課税とは別の考え方をして一時所得、というものになります。

一時所得は、たまたま儲かった、棚ぼた的な収入です。

たまたま儲かったものにあまり重い税金をかけてはいけない、ということで次のように計算します。

一時所得の課税対象=(収入ー直接かかった経費ー50万円)÷2

例えば200万円の手付金を放棄された場合にはこんな計算です。
必要経費はなかったこととしています。

(200万円ー50万円)÷2=75万円

この75万円を他の給与等の所得と合算して所得税、住民税を計算します。

所得税は所得に応じて5%から45%まで税率がだんだんと上がっていきます。

仮に税率20%の方の場合、住民税10%とあわせて
75万円×30%でだいたい225,000円の納税、となります。

不動産屋に手数料を支払っていたら必要経費となるか

手付金を受け取っている、ということは契約書まで出来ているはずです。

そうすると不動産屋さんに手数料を既にいくらか支払っているかもしれません。

その場合には、先ほどの一時所得の計算上、経費として差し引くことができます。

仮に手数料10万円を既に支払ってた場合にはこんな計算です。

(200万円ー10万円ー50万円)÷2=70万円

これで70万円が課税対象、ということです。

まとめ

返還不要の手付金でいくらか臨時収入だ、というよりもキャンセルのショックの方が大きいというのが通常だとは思います。

それでも返還不要となった手付金も収入として申告が必要です。
申告は翌年まとめて、となってしまいますし税理士に頼むにしてもキャンセルがあったことを伝えるのは結構忘れがちです。

ショックですが忘れないよう気をつけましょう。

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