相続税無申告1,232件・気づかぬうちに脱税しないよう税の基本は勉強しましょう

 国税庁から相続税の申告事績の概要と調査等の状況が発表されました。

 その中でも相続税の無申告について、101億円追徴過去最多、と日本経済新聞が報じています。

 平成27年から相続税の基礎控除が4割減となって申告するべき人が増えたということと、無申告事案について積極的に調査へ行っている、ということ、この両方が作用してのことです。件数は1,232件とのことで結構な数ですね。

 無申告だった方がどのような事情で申告されなかったのかはわかりません。ただ、根底にあるのは、多くの方が基本的な税についての知識が不足している、ということでしょう。そもそも相続税の申告が必要、ということを知らなかった、理解できなかった、という方もこの中には一定数いるはずです。

どの世代にも税の知識は必要
 高校生や大学生であれば、親の扶養から外れない範囲でアルバイトをしたいと考えた場合どうするべきなのか。アルバイトを掛け持ちした場合はどうなるのか。
 働き出した後であれば、年末調整はどういったものなのか。所得税、住民税の基本的な計算方法がどうなっているのか。
 副業を始めたら、申告が必要なのか。必要ならどのようにしなければならないのか。事業を始めたらどうするべきなのか。会社をつくったらどうするべきなのか。
 相続や贈与を考えたのであれば、どのような場合に相続税や贈与税の申告が必要となるのか、またどうすれば税負担をおさえることができるのか。

 このように人生の様々なところで税の知識は必要となります。
 そのたびに勉強する必要がありますが、実際には学ぶ機会はほとんどありません。学生の話をきいても本当に曖昧な知識で103万円や130万円という数字だけが先行して噂されている、というような状況です。

税について勉強が必要です
 申告納税制度をとっている以上は税制の基本的なことは皆がよく知っておくべきです。しかし残念なことに普通に生活しているだけでは基本的な知識さえ身につかない、という状況にあります。

 最低限の知識もなければ税務署や税理士に相談する、ということもできません。税理士会として租税教室等をやっていますが、もっと税について積極的に皆が学ぶような仕組み作りが必要でしょう。一番は年末調整を廃止してしまって還付を受けたければ自分で申告を、としてしまうことかなと思いますがただでさえパンク気味の今の税務署をみると難しいでしょうね。

 少しずつですが、学生からの質問を中心に、このブログでも税の基本について知っていただけるように努力していきたいです。

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