支払調書をもらっていないから申告しなくても大丈夫?

 フリーランスの方は昨年一年間分の報酬金額と源泉徴収税額をまとめた支払調書、という書類を受け取ることが多いと思います。

支払調書がない収入はばれないのか
 この支払調書が発行されなかったから、その相手先からの報酬は申告しなくてもいいの?ときかれてしまいました。支払調書が発行されなかったとしても、収入がなかったことになるわけではありませんから、申告は当然必要です。

支払調書、渡してくれない相手は問題ないのか
 この「支払調書」という書類、報酬の支払者が作成するのですが、支払者は税務署への提出義務はあっても、実は相手先への交付義務はありません。もらえなかった、というのはある種当然のことなのです。ということで渡してくれない相手先は危ないトコ、というわけでもないので安心してください。
 ある出版社では税務署への提出義務と混同されているのか、報酬金額5万円超の場合だけ執筆者に送付している、5万円以下の場合は発行していない、とのことでした。それでも、原稿料が年5万円以下だったからといって申告不要、となるわけではないのです。

支払調書は慣習的に交付されている
 給与の源泉徴収票は支払金額にかかわらず、必ず支払対象者に交付しなければなりませんが、支払調書はそうではないのです。それでも慣習的に交付されることが多いので、支払調書がないと確定申告できない、と思われている方が多い、というのが現状ですね。そんなことから、冒頭のようなとんもでない勘違いまでされてしまう、というある種罪な書類です。確定申告書への添付義務もないのです。

 明日からいよいよ確定申告期間、ということでこの週末書類を整理された方も多いのでは。支払調書がなくても確定申告はできます。報酬の支払明細書等をもとに、差し引かれた源泉徴収税額を間違えないよう、帳簿をしっかりつくりましょう。

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