在宅勤務の通信費、電気代支給は一定額まで非課税
国税庁が今日、在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)を公表しました。
パソコンの支給は現物給与だけど貸与は非課税等一般的QAもありますが新し在宅勤務時の通信費、電気代の支給について基準を示しています。
在宅勤務となって出社していれば不要だった通信費や昼間の自宅電気代等がかかるようになりました。
それを手当するために在宅手当を支給してもいいのですが単純に在宅手当を支給すると給与として課税対象となってしまいます。
そこで国税庁がここまでなら給与課税しないよ、という基準をしめしたわけです。
課税されない通信費は勤務日数分の半額
テレワークする場合にはどうしてもネット環境が必要です。
その通信費を会社が支給すると原則的には給与となりますが合理的に見積もった業務のために必要な金額を支給するなら非課税、と国税庁はしめしました。
合理的にといっても難しいので、こうやって計算したのなら合理的と認める、という基準も国税庁は上記FAQでしめしています。
そこでは
業務のために使用した基本使用料や通信料等
= 従業員が負担した1か月の基本使用料や通信料等
× その従業員の1か月の在宅勤務日数/該当月の日数
× 1/2
このように計算した金額の支給なら給与として課税しないとされています。
例えば月の通信費が9千円、勤務日数が20日、その月が30日間、だとすると
9千円 × 20日/30日 × 1/2 = 3,000円
こんな計算で3.000円は業務に使った金額、ということになります。
そのため3,000円までは給与として支給されません。
通信費は定額制の契約が多いですし従業員の通信契約状況を一度把握すれば変動値は勤務日数だけになるのでまだ計算しやすいかなと。
通信費にはスマホの本体代金や音楽等のサブスク料金は含みません。
明細を確認して基本料と通信料をベースに計算です。
電気代は床面積割して勤務日数分の半額
電気代も在宅勤務によってかかるようになりました。
パソコンは当然使いますし、昼間の冷暖房も必要です。
そのため電気代についても業務のために使用した部分の支給なら非課税、とされました。
ただ業務のために使用した部分の計算は難しいので通信人同様に次のように計算するならOKとのこと。
業務のために使用した電気料金
= 従業員が負担した一ヶ月の電気代
× 業務のために使用した部屋の床面積/自宅の床面積
× その従業員の1ヶ月の在宅勤務日数/該当月の日数
× 1/2
勤務日数での按分に加え床面積での按分も加わりました。
床面積は毎月変わらないでしょうが定額制の多い通信費と違い電気代は毎月変動します。
会社がどの程度手間をかけるかにもよりますが毎月上記計算ピッタリの金額を支給する場合には毎月電気料金の明細を集めないといけないので手間ですね。
手間がかかると計算してくれない会社もでてくるでしょうし、一律で一日〇〇円までなら非課税、としてくれれば簡単でよかったのにな、と。
「半額」まで、にも根拠あり・家事按分等もなんとなくではなく理屈づけが大事
通信費も電気代も日数や床面積で按分した金額の「半額」となっています。
この半額はなんとなくではなく根拠あり、とFAQで説明されています。
※ 上記算式の「1/2」については、1日の内、睡眠時間を除いた時間の全てにおいて均等に基本使用料や通信料が生じていると仮定し、次のとおり算出しています。
① 1日:24 時間
② 平均睡眠時間:8時間
(「平成 28 年社会生活基本調査」(総務省統計局)で示されている7時間 40 分を切上げ)
③ 法定労働時間:8時間
④ 1日の内、睡眠時間を除いた時間に占める労働時間の割合
:③÷(①-②)= 8時間/(24 時間-8時間)= 1/2
つまり、24時間のうち8時間は寝ている、そうすると活動時間は残りの16時間である。
労働時間は8時間だから8/16で半額、という計算です。
ここにも一応の合理性があるわけです。
これと同じように生活費と事業経費の按分計算をする際にも、なんとなく3割、とかではなく何かしらの理屈をつけることが大事です。