泉佐野市ふるさと納税訴訟・最高裁弁論が行われました。

4月に、ふるさと納税訴訟、高裁判決見直しか、と書きました。

泉佐野市が昨年6月から新制度となったふるさと納税からはずされたのはおかしい、として起こした裁判です。
高裁では国が勝っていますが最高裁で弁論が開かれる、ということで。
高裁での判決を変更する場合には最高裁での弁論が必要なため、これが開かれるということは高裁の判決をひっくり返すのでは、と話題になっていました。

違法な行為はしていない、それでいいのか

裁判の流れ等は以前のブログを参照していただければと思いますが、この最高裁弁論が昨日6月2日に開かれました。

 産経新聞 泉佐野市「除外は違法」 ふるさと納税訴訟、最高裁で弁論
 MBSニュース 泉佐野市「何一つ違法な行為はしていない」“ふるさと納税訴訟”最高裁で弁論

記事によると泉佐野市は「あくまでも法的規制の中でできることをしてきた。突如としてルールを変え、本市を狙い撃ちにしたような措置だ」と、さらに何一つ違法なことはしていない、と主張しているようです。

以前のブログでも書きましたが、違法なことさえしていなきゃいいのか、という問題で。
とんでもない額の寄付を集めたわけで泉佐野市としては経済的な損得だけを考えると正しい行動だったのかもしれません。
そして裁判では違法だったかどうかが判断基準となります。
しかし企業に社会的責任が伴うように、自治体にも同じように社会的責任があるのでは、と思うわけです。
むしろ自治体ならなおさら模範となるべきではと。
そんな考えもあって、この裁判の行方が気になっています。

裁判は法に基づいて判断を行う場です。
法に違反していない限りは罰せられるべきではないでしょう。
泉佐野市も旧制度下では返礼品の基準等は法律に決まっていなかったからやっただけ、それを理由に基準が決まった新制度に参加させないのはおかしい、というのが主張の基本でしょうから仮に高裁判決がひっくり返って国が負ける可能性大です。

そのような結論がでたとしてもそれは仕方の無いことだと思います。
税務では、法の抜け穴を探したような節税で世論的には認められないようなものでも、それはダメよという法律がない限りは課税できません。
今回の泉佐野市ふるさと納税訴訟も同じような話でしょう。
特に今回のふるさと納税新制度外しについては総務省にかなりの裁量が与えられていたようで、まずいやり方だったと思います。

きちんと新制度での参加には旧制度下でのことも考慮する等定めなかった国にも問題があり、国が負けても仕方なしです。
ただ法を犯していなければなんでもいい、とはならないのが世の中なわけで。
泉佐野市がやりすぎていたのはふるさと納税に興味があった方なら皆知ってましたし。
ふるさと納税で良くも悪くも話題になった泉佐野市の裁判、判決にも注目ですし、判決後に泉佐野市がどのように動いていくのかも注目です。

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