確定申告の印鑑廃止・電子化効率化への第一歩と
確定申告書を紙で提出するときには印鑑を押す必要があります。
ただ、これは実印である必要はなく、認印で大丈夫です。
この印鑑をおさなくてもよくなるかもです。
デイリー:政府、確定申告の押印廃止へ税務手続きを電子化、利便性図る
官房長官が「政府全体として不要な押印は廃止する方向で検討している。国税関係の手続きの押印も、納税者の利便性向上に鑑みて見直す」と語ったとか。
国税通則法第124条の改正・押印規定の廃止
国税通則法第124条で、税務署類には申告書を提出する人等の押印が必要、と決まっています。
どうもこの規定を見直すとのこと。
国税通則法第124条2項が次のように定めています。
2 税務書類には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が押印しなければならない。
一 当該税務書類を提出する者が法人である場合 当該法人の代表者
二 納税管理人又は代理人によつて当該税務書類を提出する場合 当該納税管理人又は代理人
三 不服申立人が総代を通じて当該税務書類を提出する場合 当該総代
四 前三号に掲げる場合以外の場合 当該税務書類を提出する者
とにかく税務書類には押印が必要、となっています。
恐らくこの押印規定の改正ですから、申告の大改革、というわけではなく単に押印が不要になる、ということでしょう。
とにかく不要な押印をなくそう、ということで。
税務書類に限らず認印でいい印鑑は確かにすべて不要な押印といえるかもです。
押印をなくすだけでは効率化やデジタル化が一気に進むわけではないですが、千里の道も一歩より。
改革の第一歩となるでしょうか。
税理士の電子化は進んでます。
税務手続きの方向性としては紙による提出をやめて電子でやってね、という方向です。
税理士が代理している確定申告についてはもうほぼ全てが電子申告になっているはずです。
税理士は高齢化社会ですからまだ紙の申告のみ、という方も一定数みえるでしょう。
ただ、大企業の電子申告義務化や青色申告特別控除の電子申告以外は減額等で徐々に包囲網はせまってきています。
税務では電子化がかなり進んでいますがあくまで税理士業界内での話、です。
個人の電子申告はまだまだ
税理士を使わない方々にはまだまだ電子申告は浸透していないのが現状です。
令和2年分より個人の青色申告特別控除が電子申告を行わないと10万円減額されますが、この程度ではあまり電子申告の普及にはつながらないのでは、と感じています。
電子申告はその入り口のハードルがとっても高いです。
電子申告を行うには、マイナンバーカードか税務署に行くと発行してもらえる電子申告用の本人確認済み番号、が必要です。
マイナンバーカードはまだまだ普及していませんし、年に一度の確定申告のために本人確認済み番号を発行してもらうようなやる気のある方も少ないです。
やはりマイナンバーカードの普及がカギですが、マイナンバーカードを読み取るカードリーダーも必要となります。
iPhone等の対応スマホでも可能ですが個人に浸透されるのはなかなか時間がかかりそうです。
マイナポータルで簡単電子申告、方向性はいいですが。
個人の電子申告はなかなかハードルが高いのが現状です。
それでもマイナンバーを軸に電子化へ進めていく流れではあります。
今は、マイナポータルと保険会社等の個人情報を連携すると簡単に申告書が完成する、という方向で進んでいます。
今年は生保は連携できるけど損保が連携できなかったりとまだまだです。
ですが数年後にはログインするだけで収入と控除の情報は連携されている、という状況になっているといいなと。
これが進み、マイナンバーカードが普及し、皆がマイナポータルにログインするようになり、確定申告に理解が進めば、確定申告時期に税務署で長蛇の列、ということも減るでしょう。
書いててかなり道のりは険しそうだなぁと思いましたが。
押印廃止後は簡単電子化を
今回の改正は、まず手の付けやすい押印廃止から、ということでしょう。
その後は徐々に電子化、効率化をすすめていってほしいですね。
電子化とは別の根本的な問題として、税務の効率化をはかるには国民全員が税制をある程度理解することが必要、です。
そのためには高校卒業までに一定程度の税務教育を行うのが一番、なんて思います。